実践探究4 4年「TOK(知の理論)続」
執筆者: gokase01
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TOK、第2回目の授業では、知識の領域「宗教」、「芸術」、「倫理」の分野における問いの探究をしました。 第2回の学習概要 「宗教」の授業では、ネパールの生き神「クマリ」について学ぶ中で、宗教や土着の知識体系における「信仰」の役割について、問いを立てました。 「芸術」の授業では、「金魚をブレンダーにかけるのが芸術?」という問いについて、実際に起きた事例をもとに、「そもそも芸術の価値は誰が決めるのか?」等の、本質的な問いにせまる話し合いをしました。 「倫理」の授業では、「植物人間にされた人たち?」というトピックで、「尊厳死法は本当に妥当なのか?」等のような、より本質に近い問いを選択していくワークを行いました。 第3回の今日は、「数学・自然科学」、「歴史」、「人間科学」の3つの領域でTOKの問いを立てる学習をしました。日本史の牧野先生が「数学」を、化学の寺田先生が「歴史」を、数学の中村先生が「人間科学」の分野を担当したことで、生徒達はその担当教諭だけで驚いていましたが、TOKの学びは教科を越えた、横断的な学びであることを感じたようです。 「数学・自然科学」の授業では、数学的なクイズや、動物の模様でさえも数式化できるという話などで思考を深めた後、「数学は発見なのか、発明なのか」という本質的な問いについて、生徒達は頭を悩ませていました。 「人間科学」では、“独裁者の部屋”というビデオを見て、もしも閉ざされた空間で限られた生活必需品で生活しなければならないとしたら、歯ブラシ、タオル、石けん、トイレットペーパーなどのうち、どれが必要かといった具体的な問いを共有し、「集団で合意形成をするために最も有効な方法は?」等の本質的な問いについてグループで話し合いを深めました。 「歴史」では、ゲジゲジやゴキブリの写真を見せながら「害虫」に関するイメージを確認したあと、そもそも害虫の概念は歴史が浅いことを学び、「一般的に害虫と言われるその知識は、いったいどこからやってきたのか?」等の本質的な問いを立てました。 生徒の感想です。 ・全ての講義を聴き終わったあと、良い意味で「もやもや」した。 ・今自分が持っている価値観も、何かに左右されているのではないかと感じた。 ・今日は深く考えすぎてもやもやした。害虫は何をもって害虫というのか。それを考えると、よく分からなくなって、そう考えると世の中全てのことが分からなくなった。 ・先生達が専門外の分野を担当されたので、違った角度の意見が聞けて楽しかった。 ・何か、頭が、脳みそが「ブワーッ!!」ってなった。 ・「知るための方法」について分かっているのかが分からないが、少しずつ本質的な問いについて分かってきたように思う。自分たちは割とふんわりした、それでいて尖った世界に生きていると思った。 ・前回と同様にTOKの観点でものを見ることで、新たな発見ができたり、考え方を改めることができて、とても面白かった。この考え方を授業だけで終わらせないようにしたい。 ・前回のTOKのおかげでどう考えればよいか分かったので、自分の中でも納得がいったし、皆の問いも本質的、根源的なものが多くて楽しかった。 第2回と第3回、あわせて6つの領域で問いの探究をしましたが、領域には重なりがあり、知るための方法も単独で機能するわけではないということを、生徒達は実感していたようです。次回は、「哲学対話」について学ぶ予定です。 (4年:田宮) |