１２月１２日

朝食では味噌汁が出ました。寮で毎日欠かさず食べていた味噌汁を久しぶりに食べたのでなんだか懐かしい気がしました。朝食中にイフガオで祀られている山下神社についての話を聞きました。（フィリピン研修に山下君が参加しているためフィリピンの方からよく話題にあがる）第二次世界大戦時にこの地は日本によって占領されていた歴史があり、そのときフィリピンに居た日本軍の将の名前が山下だったそうです。なぜ敗戦の将とも言える彼が今も有名なのかというと、彼は敗戦後に処刑される前に大量の財宝をフィリピンに隠していて、まだその財宝を探している人がいるのだそうです。もしかしたらこの研修中に財宝を見つける、なんてことがあるかもしれない！ゴハン高校を訪問した後に棚田探索をしました。ゴハン高校までの道中は未舗装道路も多く、ある生徒は車に酔って顔が真っ青になっていました。ゴハン高校に到着すると民族衣装を着た生徒が列を作って出迎えてくれました。手にはドラのような金属の打楽器を持ってそれを打ち鳴らしリズムを奏でていて、まるで行進曲のような勇ましさがあってとても気持ちよかったです。ゴハン高校に到着するとまず学校の簡単なシステム説明と挨拶がありました。ゴハン高校は小中高一貫校で学校のシステムは日本と似通っていました。ゴハン高校の校長先生の話はとても興味深くフィリピンは発展とともに今の文化を失いつつあるという話をされていて開発や発展を望みがちな私たちにとっては新鮮な感じがしました。ゴハン高校の生徒の発表では民俗劇を見ました。11日のキアンガン高校やIFSU大学でも感じたことですが、劇の内容はやはり男女の取り合いに関するものでした。フィリピンの方々はこの手の内容を好むのでしょうか。日本の昼ドラを見せたらきっと喜ぶだろうなと思いました。私たちはゴハン高校の人に歌を披露しました。特に印象的だったのが森田さんがソロで歌う機会があったのですが、彼女が歌を歌うとアンコールの声が学校中からあがったことです。森田さんはフィリピンでファンを作ることに成功しました。その後14歳の学年の授業に参加して交流を行いました。いくつかのグループに分かれて交流をしましたが、それぞれのグループで日本語やフィリピン語を互いに教え合ったり、ボーイフレンドやガールフレンドがいるかを聞き合ったり、日本の漫才の醍醐味であるツッコミについて教えたりしていました、特に気になった話としては日本には自殺が多いというイメージがあるという話を聞いたことです。確かに今の日本には社会問題の一つとして自殺数の多さがありますが、フィリピンでも有名なほどとは思っていなかったので驚きました。帰国したらぜひこの問題について調べてみたいと思います。とにかく笑いの絶えない空間が出来ていて、英語が出来ることの喜びを身に染みて実感することが出来た時間でした。昼食ではバナナが出ました。さすがは本場のフィリピンと言ったところで、そのみずみずしさと甘さに感動しました。昼食後は授業の様子を見て回りました。木の彫り物をしている人もいれば楽器を演奏している人もいました。どれも職人と言っても過言では無いほどの真剣さと完成度の高さが見えてすごいなと思いました。浦君は自分の名前を木に彫ってニコニコしていました。その後の棚田探索ではその美しさにただただ圧倒されました。イフガオ地方は勾配の急な山によっていくつかの地域に分けられており、多様な文化を形成していますが、ここではその山の急勾配さゆえに立体的で美しい棚田が形作られていました。イフガオ地方では農業従事者が減少しているそうです、棚田には維持管理が難しくかつ収穫量が少ないという問題があり、この棚田を後世に残していくためにはどうすれば良いのだろうかと考えるとともに、高千穂郷･椎葉山のGIAHS地域の課題との共通点を見出すことが出来ました。帰りに棚田の近くでお土産を買って帰いました。全員その物価の安さに驚いていました。また、店主がその場で値段を決めるスタイルの販売方法は初見だったので興味深かったです。帰りの車内では全員で洋楽を歌ってとても楽しかったです。今日も沢山の学びと収穫があったフィリピン研修4日目でした。

（Written by River and Rocky）